人工肩関節 上肢鏡視下手術

人工肩関節上肢鏡視下手術

人工肩関節

1.手術の対象になる患者さん

肩関節疾患によって疼痛があったり、肩が挙上困難だったりする方。疼痛が、変形性肩関節症により起きている方に適応があります。
外傷や、骨壊死の他、広範囲腱板断裂やリウマチ後に生じることがあります。また、原因がなく加齢に伴って起きるケースも見られます。

2.手術の目標

疼痛の改善による生活の改善と、肩関節の機能(挙上、服を着る、髪を結わえる、帯を結ぶ、など)を再獲得することを目指します。手術による構造的な回復に加えて、機能面をリハビリで獲得するため、術後のリハビリが大切です。

3.人工肩関節置換術とは

人工肩関節置換術は、軟骨が損傷し適合性が悪化した肩の関節を肩甲骨と、上腕骨双方を金属とポリエチレンに置換して、可動させることを原則とした手術です。
通常の解剖と同様の形に置換するケースと、通常の反対(リバース型)の形に置換するケースがあります。後者は、肩を動かすための筋肉や腱に重度の機能障害がある場合に行われます。どちらが適切かどうかは、診察の中で判断していきます。

上肢鏡視下手術

1.上肢の鏡視下手術とは?

上肢疾患でも、関節鏡による侵襲の抑えた手術が可能です。中でも多く行われるようになってきた肩関節鏡では、スポーツによる肩関節脱臼を反復するケースへの手術や、肩のインナーマッスルである腱板を損傷した腱板断裂の修復(縫合)を行います。肘関節や手関節でも、病気の程度や種類によって関節鏡下での手術が可能です。
※腱板断裂は、肩を動かすために必要な腱板と呼ばれる(棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋)に50代の約半数の片側肩に生じるとされ、75歳以上では約半数の方の両肩で生じているとされ、疼痛や動きの制限の原因になる疾患です。

2.手術の対象となる患者さん

通常手術を行う必要のある患者と同様です。損傷の程度などで関節鏡を用いることができるケースでは、傷口のサイズや、その深部の組織の損傷を抑えることができ、早期からの回復への期待や関節の拘縮が予防できると考えられています。

3.手術の目標

病気によって失われた機能の再獲得や、疼痛からの回復が目標となります。