膝前十字靭帯再建術

前十字靭帯再建術

1.前十字靭帯損傷とは

膝関節を支える主な靭帯として前十字靭帯、後十字靭帯、内側側副靭帯、外側側副靭帯の4つがあります。 前十字靱帯は膝関節のねじれ、 脛骨の前方移動を制動しているため、一度損傷されるとその制動が回復しない事が多いと言われております。

2.手術の対象になる患者さん

痛みで手術を希望される方は少なく主な訴えは膝関節の不安定感(膝崩れ)になります。 日常生活において膝の不安定性の強い方、スポーツ復帰を希望される方は対象になります。

3.手術の目標

十字靱帯再建手術の目的は、膝の不安定性を軽減させることです。 スポーツにおいては最終的にそれぞれのスポーツに必要な膝の安定性、俊敏性、持久性などを高める トレーニングを行い、術後10カ月から1年での競技復帰を目指します。

4.関節鏡視下前十字靱帯再建術とは

基本的には膝に小さな穴を3~4カ所開け、そこからカメラ(膝関節鏡)や手術道具を挿入して行います。 切れた靭帯同士はつなげることができないので、多くの場合、患者さん自身の太ももの裏の靭帯を採取して 前十字靭帯の代用靱帯を作成します。 解剖学的に元々あった前十字靭帯に沿うように太ももの骨(大腿骨)とスネの骨(脛骨)にトンネルを掘り、 作成した代用靭帯を通します。 傷はカメラを入れる為の1.5cm程の傷が2~3か所、靭帯を採取する為の4cm程の傷が1か所出来ると思って下さい。