特殊外来

特殊外来について

片頭痛発作の発症抑制外来

今までの治療で片頭痛の発作が減らず、生活に支障をきたしている人のために、片頭痛発作の発症抑制外来を開設しました。これは、新しい片頭痛の発作を起こりにくくする「片頭痛発症抑制薬」による治療を目的とした外来です。
日本には約1000万人の片頭痛患者さんがいると推測されています。大半の患者さんは医療機関に受診することなく、市販薬を服用して我慢しています。受診することで、市販の頭痛薬では抑えられなかった発作を抑えられる薬が使えるようになります。また頻回に発作が起こる患者さんは、発作が起こりにくくなる薬を飲むことが出来るようになります。
現在国内で使える発作を抑える薬は、他の病気のために開発され、片頭痛の発作を抑える効果が認められたので片頭痛の予防に使われている薬です。発作を抑える薬を飲むと、発作が半分以下になり、発作が起こっても以前より発作を抑える薬がよく効くようになります。しかしながら、約8割の患者さんは2ヵ月で発作を抑える薬を飲むのをやめてしまいます。その理由としては、思ったほど効果が得られない、効果が出るまで時間がかかる、眠気などの副作用のため飲みにくい、などの理由によるものです。
今回発売された「片頭痛発症抑制薬」は、片頭痛の研究から作られた片頭痛の治療を目的としてつくられた薬です。欧米では2018年に承認され、世界中で使われているお薬です。臨床試験では今まで予防薬が効かなかった患者さんにも効果が示されています。ただ、この新しい薬は片頭痛があればどなたにでも使えるお薬ではありません。片頭痛が頻回にあり、適切な治療を行っても片頭痛の発作により日常生活に支障を来し、以前からある発作を抑える薬を飲んでも十分な効果が得られない患者さんに使うお薬です。条件に当てはまると思う、片頭痛でお悩みの方は、一度受診してみてください。※新薬の対象は18歳以上です。
なお、今まで医療機関を受診することなく片頭痛でお悩みの方は、先ずは医療機関を受診して従来からある片頭痛の発作を抑える薬をお試しください。

静岡新聞の取材を受けました。(令和3年5月13日 静岡新聞 朝刊)[PDF:121.3KB]

担当診療科 脳神経内科
担当医 頭痛センター長 今井 昇
診療時間 水曜日 午前8:30~11:00 原則として紹介予約のみです。
※予約する際は地域医療連携室へご連絡下さい。

群発頭痛外来

群発頭痛は、一側の眼窩部、眼窩上部、側頭部に、1~2時間持続する頭痛発作を特徴とする頭痛疾患です。痛みは激烈で、人類最悪の痛みの一つと呼ばれています。頭痛は連日1~2回/日、1~2か月起こり、頭痛発作が起こる期間を群発期と呼んでいます。頭痛発作と同側に、涙、鼻水、鼻づまり、目の充血など、頭部自律神経症状と呼ばれる症状が出ます。また発作中、じっとしていられず動き回ることがあります。
市販の頭痛薬で抑えることが出来ず、またあまりの痛さのため救急病院を受診することがありますが、検査では異常は認められません。
大変つらい頭痛である群発頭痛ですが、 特効薬を用いると10分で痛みを軽減することができます。また、頭痛発作そのものが起こらないようにする予防療法もあります。過去に受診していても十分な治療を受けられなかった患者さんはあきらめないで一度受診してみてください。
担当診療科 脳神経内科
担当医 頭痛センター長 今井 昇
診療時間 水曜日 午前8:30~11:00 原則として紹介予約のみです。
※予約する際は地域医療連携室へご連絡下さい。

「薬剤の使用過多による頭痛」外来

頭痛薬を連日のように服用すると、頭痛が頻回に起こるようになります。このため頭痛薬を更に多く服用すると益々頭痛が頻回に起こり、頭痛薬が効かなくなってきます。このように頭痛薬の飲み過ぎによっておこる頭痛を「薬剤の使用過多による頭痛」と呼んでいます。
治療は頭痛薬を中止することです。中止直後は酷い頭痛に襲われますが3日ぐらいすると楽になります。しかしなかなか中止出来ず、何十年も連日頭痛で悩んでいる方もいます。
当院では、自分で中止出来ずに困っている方に、入院して断薬する治療法を行っています。多くの方が1週間から10日で良くなって退院しています。
「薬剤の使用過多による頭痛」で悩んでおり、入院治療に関心のある方の受診をお待ちしています。
担当診療科 脳神経内科
担当医 頭痛センター長 今井 昇
診療時間 水曜日 午前8:30~11:00
※原則として紹介予約のみです。予約する際は地域医療連携室へご連絡下さい。