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しずおか日赤メールマガジン第216号

2023年7月31日

花火が夜空を彩る季節となりました。今年の夏は多くの花火大会が各地で開催されています。日本の花火は、鮮やかな色、様々な形、時差式と、どんどん進化しています。青、赤、金などの単色もきれいですが、近年はピンク、オレンジなどのパステルカラーも加わり、色鮮やかですよね。新しい花火の開発には長い時間がかかり、エメラルドグリーンの色は開発に20年近くを要したという話もあるそうです。
暑い日が続きますが、熱中症には気をつけながら、夏の風物詩を楽しみましょう。
それでは、メールマガジン第216号をお届けいたします。引き続き温かいご支援を賜りますよう、どうぞ宜しくお願いいたします。

慢性副鼻腔炎

諦めなくても大丈夫 慢性副鼻腔炎の新たな治療法

先月号に引き続き耳鼻咽喉科 川﨑医師に教えていただきます

身近なようで案外知らない「慢性副鼻腔炎」

「慢性副鼻腔炎」とは、以前は「蓄膿(ちくのう)」と呼ばれていた病気。常に鼻がぐずぐずしている、いわゆる“青っぱな”のイメージがあるかもしれません。
副鼻腔炎は大きく、急性と慢性に区別されます。急性副鼻腔炎は主に細菌やウイルス感染により鼻腔が炎症を起こし、これにより副鼻腔(前頭洞・篩骨洞・蝶形骨洞・上顎洞。下図参照)からの粘液排出がうまくいかなくなり、副鼻腔内の粘液に細菌やウイルスが繁殖して膿がたまるというもの。症状が進むと、眼や頬のあたりに痛みが出ることもあります。
現在は抗生剤による治療が進んで、急性副鼻腔炎の治療はかなりスムーズに行われるようになっていますが、中には症状がなかなか治りきらないケースもある。3カ月以上続く場合は慢性副鼻腔炎として、手術など別の治療法を検討します。

医療工学の飛躍的な進歩で低侵襲な手術が可能に

顔の中央にある鼻の手術に抵抗を覚える人もいますが、現在では鼻の疾病で行われる手術はほとんどが内視鏡手術。鼻から内視鏡を入れ、鼻腔内にできたポリープ(鼻茸)を切除したり、病変を取り除いて詰まってしまった副鼻腔をひとつにつなげたり(単洞化)といった処置を行います。
単洞化手術の場合、所要時間は3〜4時間程度で、入院は1週間程度。近年は医工連携が進んだおかげで、ナビゲーションシステムで脳や眼の周囲の位置を確認しながら手術を行うことはごく普通になっています。脳に近い部位の鼻副鼻腔腫瘍も鼻内手術で低侵襲に行えるようになるなど、技術は大きく進歩しています。

難病・好酸球性副鼻腔炎も新薬登場で新たな光が

特にここ最近増えているのが「好酸球性(こうさんきゅうせい)副鼻腔炎」。ごく簡単にいえばアレルギーによって引き起こされる慢性副鼻腔炎です。
一般的な慢性副鼻腔炎は抗生剤と内視鏡手術でかなり治りますが、アレルギー反応が関わる好酸球性副鼻腔炎では、手術をしても再発しやすく、根治はなかなか難しいとされていました。しかし2017年にこの疾患のうち、中等症〜重症の患者さんが指定難病に認定されるようになり、さらに2020年からは鼻茸(鼻ポリープ)を伴う好酸球性慢性副鼻腔炎に対し、※IL-4とIL-13のシグナル伝達を阻害する新規治療薬が使えるようになり、これまで難しかった嗅覚障害の改善が期待できるようになりました。つまり難病指定と新薬の登場によって、根治が難しかった慢性副鼻腔炎も、適切な治療が受けやすくなったのです。薬剤の投与には一定の適応基準がありますが、2017年以前に慢性副鼻腔炎の手術を受けた方で、現在も症状にお悩みの方はぜひ当院にご相談いただければと思います。
※IL-4とIL-13 …体内の異物の侵入を伝えるサイトカインと呼ばれる物質。アレルギー反応の原因となる免疫クロブリンの生成を促す働きをする。

第1回市民公開講座のご案内 市民のみなさんともっとクロス!

高齢者のひざの痛み~変形性膝関節症を中心に~

静岡赤十字病院開設90周年にあたる今年度より「市民公開講座 市民のみなさんともっとクロス!」を始めることにいたしました。「市民のみなさんともっとクロス!」にはひとりでも多くの人にわかりやすく伝えていきましょう。交流していきましょう。という意味が込められています。地域で真に必要とされている情報を提供し、必要な時に迷わず選んでもらえる病院に。そして今以上に皆さまに近い存在になれますよう今後も発信していきます。
詳しくはこちらをご覧ください。

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