しずおか日赤メールマガジンMailmagazine blog

5月に入り、だんだんと気候も暖かくなってきました。
毎年恒例となりますが、今年も保育園の園児たちが作ってくれた鯉のぼりをいただき、院内に飾る事ができました。
うろこ1枚1枚が似顔絵となっており、見る人を笑顔にさせてくれる素敵な贈り物です。
鯉のぼりが泳ぐように元気よく、体調管理には気を付けて過ごしましょう。

それでは、メールマガジン第177号をお届けいたします。
引き続き温かいご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

これから夏にかけ、症状を訴える方が増えてくる尿路結石症。日本人の10人に1人がかかる身近な病気ですが、ややデリケートな部分の病気だけに話題にしにくく、気になる症状があってもどうしたらいいか分からないという人も意外と多いかもしれません。
尿路結石症とは、尿の中に溶け込んだ成分が腎臓で結晶化し、石状にかたまったもの（結石）が、腎臓→尿管→膀胱→尿道へと落ちる中で引き起こす様々な疾病のことです。場所によって、腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石があります（図1）。腎結石の段階では症状はほとんどありませんが、結石が尿管に落ちて尿路を塞ぐと、腰から背中にかけての激痛や、血尿などの症状が生じます（図2）。また尿の流れが妨げられることにより腎盂が腫れた状態を水腎症といい、この状態が長く続くと腎機能を低下させることもあります。

泌尿器科ではまず尿検査で尿に血液が混じっていないかを調べ、疑わしい場合はレントゲンやCTなどの画像検査を実施します。結石が見られた場合にはその大きさなどを調べ、適切な治療方針を考えていきます。
尿路結石症の治療には保存療法と手術療法があります。結石が小さな場合は尿道を通って自然に排出されることが期待できますので、水分摂取や結石の下降を促す薬を投じて経過観察を行います。
一方、自然排石が期待できない場合は手術療法が必要となります。腎結石や尿管結石であれば、体外から衝撃波を当てて結石を砕く体外式衝撃波結石破砕装置（ESWL）により、体に傷をつけることなく治療できます（図3）。状況によりますが、治療時間は約30〜40分。日帰りで治療を受けることも可能です。結石のある場所が膀胱や尿道の場合や、腎臓や尿管でもESWLで対応が難しい場合は、「経尿道的尿路結石砕石術（TUL）」「経皮的腎結石砕石術（PNL）」と呼ばれる内視鏡と振動波結石砕石装置を使った治療を行うこともあります。
尿路結石症は高血圧などの生活習慣病とも共通点が多く、予防には日頃の生活改善がとても大切です。当科でも積極的に水分をとること、バランスのよい食事、適度な運動など生活習慣の見直しを指導しています。

静岡市葵区上伝馬にある保育園「小百合キンダーホーム」さんより、今年も園児による手作りの「こいのぼり」をいただきました。
こいのぼりは、2号館2階の小児科外来と、3号館3階の小児病棟ラウンジに飾られています。 「げんきになってあそぼうね！」というメッセージとともにこいのぼりの「うろこ」には園児一人一人が書いた絵が貼られており、見る人を楽しませてくれます。
コロナ禍で大変な毎日ですが、子どもたちのかわいい顔に心がなごみます。