しずおか日赤メールマガジン

第147号 平成29年11月01日発行


 朝夕の寒気が身にしみる時節となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
 さて、今月11月9日は電話番号119との語呂合わせで「119番の日」だそうです。これは、1987年(昭和62年)に自治省(総務省)消防庁によって制定されました。
 ちなみに、119番が誕生したのは1927年(昭和2年)のことで、それまでは「112番」が使用されていました。当時は黒電話であり、一刻を争う緊急のダイヤル時間の短い番号として指定されたのですが、ダイヤルに不慣れなためか誤接続が多く、また最後に9を回すことにより落ち着いて話すことができるようにとの理由から、現在の「119番」になったと言われています。
 引き続き温かいご支援を賜りますよう、どうぞ宜しくお願いいたします。
 それでは、メールマガジン第147号をお届けいたします。

目次

1. 今月の病院ニュース
変化してきた緩和ケア~これからのがん医療~

2. インフォメーション
フィリピン保健医療支援に看護師派遣!

変化してきた緩和ケア ~これからのがん医療~

自分らしい生き方を見失わないために

第一外科部長 白石好医師
 

 日本人の2人に1人がかかる「がん」という病。どんな治療を選び、どのように生きていきたいかは一人一人の人生観によって異なります。来たる高齢化社会でも、自分らしさを見失わないために、これからのがん医療に必要な緩和ケアについて、  白石 好医師にうかがいました。

◆やがて来る高齢化社会で最期の時をどう迎えるか

 「先生にお任せします」がんの告知を受け、治療方針を話し合う際によく聞かれる言葉です。現在のがん治療は学会などが考案したガイドラインに添って行なうことがほとんどで、病院や主治医によって大きく変わることはありません。医療技術は延命を目標に日々邁進しており、新しい薬剤や技術の開発も日進月歩、結果としてがん患者の平均的な生存期間は延びています。とはいえ、どんな先進治療を受けても必ず治るという保障はなく、がんと診断されたら誰もがその先にある死を意識せざるを得ません。
 少子高齢化が進む日本では、2025年には3人に1人は75歳以上となり、年間死亡者数は現在より40万人以上の増加が見込まれます。そうなれば現在のような病院中心の医療体制の維持は難しくなります。いま多くの方は病院で命を終えていますが、やがて最期の場所として病院のベッドが確保されない時代が到来し、多くの患者は在宅医療で担うことになります。すでに対策として、各地で病院以外の地域の医療介護が連携を強化していく地域包括ケアの取り組みがなされています。がん患者が最期を自宅や施設でも穏やかに過ごすための在宅緩和ケアも普及してきました。しかしより大事なのは、一人一人が「人生の最終段階になった時、どのように生きるのか」を考えるということです。

◆緩和ケアに必要なのは対話とリハビリテーション

 従来、医療者が思い描く緩和ケアの実現が患者のためと考えられてきました。そこには死を意識するという心のストレスを取り除くという考えがありましたが、一方で患者をがんを罹った辛い存在として扱うことで患者自身の主体性を取り上げていたのかもしれません。他人に命を委ね、自ら考えることをやめてしまうのは楽かもしれません。しかし人間には元々困難から立ち上がる力があります。死を意識した時に命と向き合うことは大きな成長の機会で、その向き合い方が患者の人生の最終章となります。人生の主役である患者を支援するために、医療者においては「対話とリハビリテーション」が大事になってきます。その人の価値観に添った治療を同じ目線で模索し、終末期になっても自分らしく生きられるよう支援することです。進行度や年齢、場所によらず、垣根を超えてがん患者が最後まで自分らしく生きる手助けを行うことが、私たちの目標です。

フィリピン保健医療支援に看護師派遣!

 日本赤十字社では国際赤十字の一員として世界各地での紛争や自然災害等の被災者を救援し、復興支援活動を行っています。
 その取り組みの中で、国際保健医療支援事業として、平成17年からフィリピン共和国に医療従事者を継続的に派遣しており、その一環として昨年11月から約半年、当院の三浦看護師が派遣されました。
 この秋には保﨑看護師が派遣されています。保﨑看護師の出発直前、同じ病棟に勤務するお二人に話を伺いました。

◆三浦貴子看護師(入社11年目)
学生時代は国際ボランティアサークルに所属。ナースをしながら、いつか自分もと思うように。

約6ヶ月間の派遣を終えてどうでしたか?
「苦労したのはコミュニケーション。基本的に会話は英語ですが、時折タガログ語が入ってくると理解できなくて…。でも現地スタッフや大家さんをはじめ、皆さんいい人ばかりで安心して生活できました」

◆保﨑友紀看護師(入社6年目 ※ナースのキャリアは12年目)
海外に目を向けるきっかけは9.11テロ事件。国際的な活動もできるからとナースを志望。6年前にイギリス留学経験も。
派遣を直前に控えてどんな気持ち?
「今はこれまでの現地での事業の把握や、指導をしなければならない公衆衛生・地域保健の勉強を進めています。治安は気になりますが、できるだけ準備をして頑張りたい。これから荷作りも頑張らなければ!」

日本赤十字社は救援から復興、長期的な人道ニーズへの対応と支援を続けていきます。今後ともご関心とご支援をよろしくお願いいたします。

 

しずおか日赤メールマガジン 第147号

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平成29年11月01日発行