しずおか日赤メールマガジン

第122号 平成27年10月01日発行


日増しに秋の深まりを感じる季節となりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
さて、近年では色々な記念日が制定され、毎日が何かの日、何かの記念日なのだそうです。そこで、今日、10月1日を調べてみたところ、記念日となっているものが数件ありました。その中の1つをご紹介します。
今日、10月1日は「日本茶の日」です。これは、天正15(1587)年のこの日に、豊臣秀吉が北野大茶会を開催したことにちなみ、伊藤園が制定したそうです。残念ながら今は新茶の季節ではありませんが、温かいお茶でほっと一息。秋の夜長を楽しむのも風流で良いかもしれませんね。引き続き温かいご支援を賜りますよう、どうぞ宜しくお願いいたします。
 それではメールマガジン第122号をお届けします

目次

1. 今月の病院ニュース
大腸がん ~大腸がん検診、あなたは受けていますか?~

2. インフォメーション
10月10日は「目の愛護デー」です

大腸がん

大腸がん検診、あなたは受けていますか?

年々、大腸がんでの死亡率が増え続けているにも関わらず、大腸がん検診の受診率が少ない日本。症状が現れにくい病気ですが、研究は進められ予防対策もとられています。さて、今回は北村消化器科部長より、大腸を守る術をお伝えします。  



 

大腸がんはどうして発生するの?
大腸がんは、突然現れるわけではなく、はじめは「大腸腺腫」と呼ばれる良性のポリープとして発見されることがほとんどです。それをそのままにしておくと3〜5年ほどでがんに進行します。症状としては、血便、便秘、下痢、貧血、下腹部の痛みなどが挙げられますが、大腸がんもポリープも症状が現れにくいため、現れた時には相当進行している状態といえます。

どうして大腸がんになるの?
大腸の壁に突然がん細胞として出現することは稀で、このような発生様式を「de novoがん」と呼んでいます。逆に発生様式の圧倒的多数を占めるのが、大腸ポリープからの発がんです。よく「大腸ポリープを内視鏡で治療したが良性だったので大丈夫ですよ、と言われた」という患者さんがいますが、大腸ポリープはほぼ「良性だが正常細胞ではない」ため、大丈夫ではありません。大腸粘膜の正常細胞が少しだけ異常細胞になったもの(腺腫細胞)が大腸ポリープを構成しており、最終的にその異常細胞が発がんする事で大腸がんは発生します。

予防方法はある?
定期的に検診を受けることです。実は日本は先進国の中で大腸がん検診の受診率が最下位。厚生労働省が各自治体に委託し、自治体事業として便潜血検査=大腸がん検診が行われています。2012年の受診率は約19%で多くの方が検診を受けていません。そして検診で陽性と診断された人は約7%。うち、大腸癌だった方は0.24%と少なく見えますが、7%の半数に当る方が精密検査を受けていないのです。40〜50代での発症率が高く、静岡市では対象の各家庭にハガキが届いているはずです。ポリープの段階で早期対処できれば大腸がんの発症が防げるため、ぜひ検診をご利用ください。


長寿大国でありながら増え続ける大腸がん
 世界屈指の長寿大国となった日本ですが、一方で日本人の2人に一人は何かしらのがんに罹患し、3人に一人はがんで死亡する時代。その死亡率は右肩上がりの状況です。その中でも増加し続けているのが大腸がん。平成25年度の統計では、男性のがん死亡原因3位、女性においては平成15年に1位に躍り出て以降1位のまま。将来男性も胃がんを抜いて2位となる予想がされています。右頁で大腸がんの発生する仕組みと理由を説明しました。大腸ポリープを治療したことがある方は、多かれ少なかれ大腸癌になる体質を持っているのです。その場合、大腸ポリープを切除しても将来、がんの素になる大腸ポリープがまた発生してきます。自分にその体質があるかどうかは、よほど大腸がんに罹患した家族が多い場合しか分からないでしょう。現時点では体質を正確に知る方法はないのです。誰に「体質」があるのか分からない、症状が出てからでは「遅い」、さらに「今後ますます増え続ける」。大腸がんに対抗する手段はないのでしょうか?

定期的な大腸がん検診・経過観察で大腸を守ろう!
 大腸がんの素となる良性の大腸ポリープは、毎年便潜血検査(大腸がん検診)を受けていれば必ず発見されます。便潜血陽性を指摘された場合はさらに検査を受け、病変があれば大腸内視鏡で切除すれば治療は終了。ここで症例をご紹介しましょう。一人は便潜血検査を初めて受けて便潜血陽性を指摘された60代の女性。S状結腸に4㎝ほどの早期大腸がんがありましたが、転移が出現する可能性のない内視鏡治療の適応所見であったのでその場で切除、完治しました。二人目は毎年便潜血検査を受けていて初めて陽性となった50代の男性。2㎝ほどの側方発育型腫瘍という発がんしやすい特殊なポリープを認めましたが、内視鏡的に切除し完治しています。二人とも日帰り手術で治療しています。一度全てのポリープを切除したら、3年後の経過観察で良いといわれています。しかし、3年後には2%前後で早期大腸がんなどの問題となる病変が発生することも。この研究は現在も継続中ですが、将来的には患者さんごとのオーダーメイド医療ができるようになると期待されています。
 「大腸がん検診を皆さんが受ける」「陽性者は大腸病変の有無を精密検査する」「病変があったものは内視鏡治療を受ける」「内視鏡治療を受けた人は最低3年に一度は内視鏡検査で経過観察を受ける」。これらを行えば、大腸がんによる死亡はかなり予防できます。きちんと検診を受ければ「大腸がん、恐るるに足らず」です。まずは検診を受けてください。そして、周りの人達にもその輪を広げてください。最終的に日本の大腸がん死亡率が減少していくことを切に願います。
 
 

10月10日は「目の愛護デー」です

年に一度は目の健診を!症状が出にくい病気をチェックしてもらおう!



コンタクトレンズの着用やパソコン、スマートフォン、テレビゲーム等をよく使う現代人にとって、目のケアは非常に大切です。ドライアイに悩む方も多いのではないでしょうか
今回は「コンタクトレンズと点眼薬」についてお話します。

今やコンタクトレンズを使用する人は8人に1人と言われます。コンタクトレンズを使用中、その上から目薬をさすことはありませんか?これにはいくつかの問題点が考えられます。
◆点眼薬の成分の角膜への影響
振って使用する懸濁タイプの点眼薬は、薬剤の粒子が角膜とコンタクトレンズの間に入り、角膜を傷つける可能性があります。また、充血を改善する血管収縮薬を含む点眼薬は、角膜の血管を収縮させて、コンタクトレンズによる酸素不足を助長する可能性があります。
◆コンタクトレンズへの影響
点眼薬は一度使い始めると細菌等が薬の中に入って繁殖する恐れがあるため、ほとんどの点眼薬には防腐剤が微量に含まれています。この防腐剤がコンタクトレンズに吸着されやすく、場合によってはレンズが変形したり、白濁や黄変する可能性もあります。防腐剤がレンズに吸着されると防腐剤の角膜への接触時間が長くなり、角膜障害を引き起こす可能性もあります。
◆薬効への影響
ソフトコンタクトレンズの場合、角膜をすっぽり覆っているので、点眼しても角膜に達する前に、まばたきによって流れ出てしまい、薬の種類によっては効果が出にくくなります。一方レンズに吸着される薬では、吸着された薬が持続的にレンズから放出されて眼内に入り、眼内の薬の濃度が非常に高くなることもあります。このような問題を避けるため、点眼薬は、防腐剤を含まない人工涙液(1回限りの使い捨てタイプ)以外はコンタクトレンズをはずして点眼し、5分以上経ってからレンズを装着するようにしましょう。
 

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