しずおか日赤メールマガジン

第109号 平成26年09月01日発行


 厳しい暑さもひと段落し、涼しい風が吹き始めた今日この頃、みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
 先月は、夏休み期間を利用して、多くの高校生が看護師体験やボランティア活動に訪れてくれました。病院スタッフの仕事は「きつい・忙しい」というイメージが先行していますが、参加した生徒さんからは「大変なこともあるが、患者さんからの感謝の言葉がうれしかった」「忙しそうだったけど、がんばっている姿がかっこよかった」といった感想が。現場でしか体験できない「やりがい」をしっかり感じとってくれたようです。将来は是非スタッフとして当院で活躍してくれる日がくることを期待したいと思いました。
 さて、メールマガジン第109号をお届けします。みなさんには引き続き温かいご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

目次

1. 今月の病院ニュース
テーマ「不整脈」
不整脈?と感じたら即受診。最新治療法で快適日常生活を

2. インフォメーション
迅速・確実を目指すスタッフトレーニング
緊急時に備えたBLS・AED講習会

テーマ「不整脈」

不整脈?と感じたら、即受診。最新治療法で快適日常生活を

加齢やストレスなどが原因となり、実は多くの人が不整脈を持っています。治療が必要な場合と、そうでない場合。その違いを知って対応すれば、進行による最悪の事態を防げます。

循環器科部長 藤木明医師に聞きました


Q:不整脈とは?
A:安静時に70~100拍/分打つのが通常の脈拍ですが、これが乱れることを不整脈といいます。不整脈のパターンは3つ。まず、通常より脈拍数が多い「頻脈」。それとは逆に、通常より少ないのが「徐脈」。3つ目に、一定のリズムを保てず脈が抜けてしまう「期外収縮」があります。

Q:なぜ不整脈が起こるの?
A:心臓は、全身に血液を送り出すポンプです。電気刺激によってポンプが動きますが、この電気信号が作られなくなったり伝わらなくなったりすると徐脈に、本来以外の場所で頻回に作られると頻脈になります。また、心臓の電気信号の通り道を刺激伝導路と呼びますが、その異常でも徐脈や頻脈が生じます。必ずしも心臓が弱いことが原因となるわけではなく、加齢やストレス、疲労によって引き起こされます。糖尿病、脳卒中、高血圧などの生活習慣病に起因する場合もあるため、規則正しい食生活や適度な運動が予防策に挙げられます。

Q:自覚症状はある?
A:年齢を重ねるごとに、誰でも不整脈の症状は見られますが、以下の場合は専門医に診断してもらうのがいいでしょう。突然の頻脈発作による動悸とともに目の前が暗くなる場合、前兆のない突然の意識消失で外傷を伴う場合は緊急の対応が必要です。また、脳梗塞の原因となる不整脈の心房細動は無症候なことがあり、普段から自分の脈を手首で確認する習慣も大事です。

不整脈の一つ心房細動が
脳梗塞のリスクを高める


 私たちの心臓は、体中に血液を循環させるのに一日10万回も収縮を繰り返すため、不整脈を起こすことは特別なことではありません。自覚症状がなくても、健康診断で不整脈と診断されたことがある人も少なくないでしょう。治療を必要としない場合が多いのですが、急に意識を失ったり、脈拍が極端に多い場合(150回以上/分)や少ない場合(40回以下/分)、体を動かした時に息切れ・めまいが起こる、安静時に突然の動悸がある場合は、精査が必要です。脈拍が早くなる「頻脈」の中に「心房細動」と呼ばれる不整脈があります。著名な元スポーツ選手が脳梗塞で倒れた原因がこの心房細動です。心房細動は、脈が早くなるため、強い動悸が感じられます。すぐに危険な状態に陥ることはありませんが、この状態が長期間続くと、肺から血液を受け入れる心房に血の塊ができます。それが血流によって脳に運ばれ、脳の血管に詰まることで、脳梗塞が引き起こされるのです。現在日本では、80万人もの人が心房細動を持つといわれています。

早めの対応と進化した
治療法で日常生活を取り戻す


 頻脈の方には不整脈治療薬を用いたり、血管から細い管(カテーテル)を入れ、心臓の筋肉の一部を焼くことで不整脈を起こさなくするカテーテルアブレーションがあります。徐脈の方はペースメーカーを体内に取り付けることで、健常者と変わらない生活を実現できます。
 心房細動に対し近年大きな進歩を遂げたのが、抗血栓療法です。従来の治療薬・ワルファリンは、ビタミンKを多く含む納豆やほうれん草などの食事制限が必要でしたが、数年前から食事制限を必要としない新規抗凝固薬が複数導入されました。
 現在の医学では、心電図を中心にさまざまな検査方法で不整脈の詳細な状態を知り、治療することが可能です。ただ、自覚症状がない場合もあるため定期的な検診をおすすめします。自覚があれば、すぐに専門医に相談しましょう。

迅速・確実を目指すスタッフトレーニング

緊急時に備えたBLS・AED講習会

胸骨圧迫、AED、人工呼吸の実践トレーニング。
3人1チームで各チームにインストラクターがつきます

最近、公共の場への設置が増えたAED。AEDは、心肺停止状態になった胸にパッドを貼り、強い電流を流すことで心臓の状態を正常に戻す小型の医療機器です。当院でも各フロアに設置し、院内スタッフが瞬時に対応できるよう、毎月「BLS・AED講習会」を開催しています。BLSは日本語で「一次救命処置」を意味します。講習会では、救急科の医師たちが講師となり、緊急時の周囲への対応から、重要視される胸骨圧迫、AEDの使用法まで、実践による訓練で体に覚えさせます。世界基準の最新救命処置情報に則って行うため、看護師であれば年に1回、ほかの職員も3年に1回は受講するよう呼びかけています。緊急時に質の高い救命処置を施すことで、倒れた方の多くが元どおりの生活に戻れることを目指しています。

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平成26年09月01日発行