しずおか日赤メールマガジン

第105号 平成26年05月01日発行


 新緑が鮮やかで、すがすがしい季節がやってきました。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
 我が静岡県はお茶の名産地で、5月といえば新茶のシーズンですね。残念ながら、急須で入れるお茶の量が減っているという新聞記事を目にしましたが、ペットボトルのお茶では味わえない香りが楽しめるのは、やはり急須で入れた一杯だと思います。特に、この季節限定の「新茶」の香りは格別ですね。
 さて、メールマガジン第105号をお届けします。みなさんには引き続き温かいご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

目次

1. 今月の病院ニュース
テーマ「最新機器を使用した脳外科手術」より安全な脳外科手術を目指した、脳動脈瘤・脳腫瘍の治療

2. インフォメーション
毎年5月は「赤十字運動月間」です!

テーマ「最新機器を使用した脳外科手術」

より安全な脳外科手術を目指した、脳動脈瘤・脳腫瘍の治療

  脳動脈瘤、脳腫瘍は生命のみならず、日常生活にも重大な影響を与える病気です。最新の機器を使用し、最善の治療を目指しています。

脳神経外科部長 齋藤 靖(さいとうおさむ)医師に聞きました。



Q
:脳動脈瘤はどんな病気ですか?

A :脳動脈瘤とは、脳の血管が膨らみ、風船のような瘤ができることです。脳動脈瘤は、破裂するとくも膜下出血を起こします。3割の方が一ヶ月以内に死亡し、社会復帰できる方は3割、残りの方は後遺障害を負うという、致死率、後遺障害の高い病気です。

 

Q
:脳腫瘍はどんな病気ですか?

A:脳腫瘍とは、脳細胞、脳神経、脳の血管などから発生する腫瘍です。脳を圧迫したり、破壊したりします。腫瘍のできた場所により、手足の麻痺、言葉の障害、目や耳の障害、認知症などさまざまな症状が表れます。

 

Q:自分にも脳動脈瘤や脳腫瘍があるか分かりますか?
A:
脳動脈瘤は人口の25%くらいの方が持っており、比較的頻度の高い病気です。一方、脳腫瘍は年間10万人に10人程度と、発生頻度の低い病気です。心配な方は40506070歳と区切りの年に脳ドックを受ける



診断機器の進化。

術中モニタリングが
脳外科手術を変えた!

 脳は非常にデリケートです。わずか1mmもない血管の障害で、麻痺や意識障害、認知障害が出現してしまいます。脳障害を少しでも減らすために、脳外科の手術は顕微鏡を使用しています。時には1mm以下の血管をつなぐことも必要です。技術力は当然ながら、診断機器も、とても重要な役割を持ちます。動脈瘤が脳のどの血管にあるのか、形、大きさ、関連する血管は…など、手術前に知るべきことはたくさんあります。以前は、血管撮影は2次元写真しか得られませんでした。術者の脳の中で3次元立体化し、手術に臨むのです。そこには多くの経験と、まさに能(脳)力が必要とされました。〈図1〉は、同じ動脈瘤の術前写真です。一番右側の写真は、当院に今年の1月に導入された最新機器による撮影です。動脈瘤の微細な形、周囲の細い血管もよく描出されており、誰が見ても動脈瘤をイメージできます。

 
 術中モニターとは、手足の運動神経、感覚神経、耳の神経、目の神経、顔の神経が手術中にダメージを受けていないかを観察することです。〈図2〉は、巨大動脈瘤に対し、バイパス術とクリッピング術を駆使して手術しています。運動神経モニターを使用し、常に麻痺が出現していないかを確認しながら行っています。





ナビゲーションシステムと

覚醒下手術

 脳腫瘍には、正常脳に染み込むように増殖するものがあります。手術にあたり、見た目では正常脳と腫瘍の区別がつきません。以前は、術者の経験とセンスが大きな要素であり、後遺障害を考慮し、わずかしか摘出できませんでした。〈図3〉は、ナビゲーションシステムによる術前計画です。腫瘍を〈赤〉、運動神経〈青〉で示しています。手術中はこの画像を元に、赤外線センサーで実際に脳のどこを手術しているのかを教えてくれます。〈図4〉は、運動神経を残し、腫瘍が摘出されています。

 

  手術中にコンピュータでモニターできないのが言語機能です。究極のモニター方法が、患者さんが手術中に目を覚まして(覚醒)、話をしながら手術をすることです。これには、麻酔科の技術と患者さんの協力を必要とします。当院でも覚醒下手術を行い、言語機能温存に成功しています。

 今後もより安全な治療をめざし、進化を続けていく所存です。

 

毎年5月は、「赤十字運動月間」です!

 赤十字社の創始者アンリ―・デュナンの生誕日5月8日は、「世界赤十字デー」です。日本赤十字社では、この日を中心に全国で赤十字運動月間を展開し、赤十字の思想や活動に対する理解と協力を呼びかけています。

 日本赤十字社のホームページでは、赤十字運動月間の特設サイトを展開していますので、そちらもご覧ください。  →http://www.jrc-undougekkan.jp/



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平成26年05月01日発行