しずおか日赤メールマガジン

第93号 平成25年05月01日発行


 お茶の葉の新芽が、あざやかな新緑の季節、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
 気温も程よく、すがすがしいこの頃、少し郊外へドライブすると「こいのぼり」が元気よく泳いでいる姿に出会うことがあります。少子化や住宅事情にともない、こいのぼりの数も減ってきているのかな・・・と思ったりしますが、子ども達が健やかに成長してほしいと願う気持ちは変わりません。
 さて、メールマガジン第93号をお届けします。みなさまには引き続き温かいご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

目次

1. 今月の病院ニュース
テーマ:「パーキンソン病」
難病・パーキンソン病との付き合い方

2. インフォメーション
毎年5月は、赤十字運動月間!
赤十字の生みの親ってどんな人?

テーマ:パーキンソン病   難病・パーキンソン病との付き合い方

特定疾患(難病)に指定されるパーキンソン病。
もしも身近な人や自分が発症したら?
正しい薬の処方で病気と上手に付き合う方法を探りましょう。
神経内科の小張 昌宏 副院長 に聞きました。


Q:パーキンソン病はどんな病気ですか?
A:パーキンソン病は、脳にある神経伝達物質「ドパミン」の不足によって起こりますが、減少理由は未だ解明されていません。そのため、特定疾患(難病)に指定され、完治する治療法は現在残念ながらありません。男女問わず50代くらいからの発症が多く見られます。ドパミンが30%ほどまで減少すると発症しますが、数年単位で減少するため気付くまでに時間がかかります。

Q:どんな症状が起こるの?
A:神経の情報伝達が衰えるため、運動障害が起こります。分かりやすいのは、手足の震え、動作が鈍くなる、筋強剛といって関節の動きが悪くなる、歩行障害などが挙げられます。仮面様顔貌(かめんようがんぼう)といってまばたきが減り、表情が乏しくなるのも特徴で、ご家族が察知されることも多いですね。歩行時のバランスが悪くなることで、転んだりして外傷を負うこともあります。

Q:どんな検査をするの?
A:まずは客観的な視点で神経学的に診察します。ハンマーで軽く体の一部を叩き反応を診たり、歩行状態をチェックします。また、頭部MRI検査で、正常圧水頭症や脳血管性パーキンソン症候群のように類似症状が出る病気の可能性も探ります。最近では「MIBG心筋シンチグラフィ」というアイソトープ検査によって心臓の交感神経を調べます。この検査により、かなり正確に診断ができるようになりました。


社会の高齢化により増加する
パーキンソン病

 「パーキンソン病」と聞いて何を思い浮かべるだろう? 体が不自由そう、表情が硬いなど、多くの人はそのくらいの知識はあるかもしれない。では全国で15万人もの患者がいることはご存知だろうか。加齢によって発症率が高くなるとあって、社会が高齢化すればするほど患者数も自然に増えるというわけだ。そのため、手足の震え(振戦)や歩行障害などの症状を見過ごしている人も多いという。「一気に症状がひどくなるというより徐々に発症しますから、最初のうちは年のせいと考えがちです。振戦は安静にしている時ほど出やすく、少し力を入れると治まります。動作が遅くなったと思ったら、同年代の人と比べてみると分かりやすいですね。ご家族など、周囲の人ほど気付きやすいかもしれません」。


薬の処方で
日常生活を取り戻そう

 今の段階では、パーキンソン病の原因が判明していないため防ぎようがないのが現実。「とはいえ、1972年にエルドーパ(別名:レボドパ)という薬が開発されたことで治療が可能になりました。それ以前はたいした治療法がなく、衰えていくのを見守るしかできない家族も辛かったことでしょう」。進行は防げないが、今は薬を飲むことで症状は抑えられるという。意外にも薬剤治療をしながら、仕事はもちろん車の運転やスポーツなどもできるそうだ。「中にはピアノの先生をしている方もいますよ。薬を飲まないと症状が出てしまいますが、重度でなければ、外来通院による薬の処方によって通常どおりの生活が送れます。この病気によって表情が乏しくなってしまいますが、薬の効果で『表情が戻ってきた』と喜ばれるご家族も多いですね」。また、症状が似た病気や、飲んでいる薬によって似た症状が発症することもあるそう。「あれ?おかしいな」と思うことがあったら、まずは診察を。
 

毎年5月は赤十字月間! 赤十字の生みの親ってどんな人?

本館1階に建つ
アンリー・デュナンの銅像。

  5月8日の赤十字デーにちなみ、毎月5月は「赤十字運動月間」です。今日は赤十字の生みの親、アンリー・デュナンについてお話しましょう。デュナンは 1828年5月8日、スイス生まれ。貧富の差を問わず病人のために尽くす両親のもとで育ち、大人になって遭遇した戦場で救護隊をつくり多くの人を助けました。戦後、各国で敵味方関係なく救護活動を行う民間団体をつくる委員会を5人のメンバーで設立。1863年各国の協力を得て、正式に赤十字が生まれました。その時に誕生したのが、スイスの国旗の色を逆にした赤十字のマークです。デュナンがつくった赤十字は現在187の国と地域に広がり、苦しんでいる人を助ける活動が行われています。

 

しずおか日赤メールマガジン 第93号

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平成25年05月01日発行