しずおか日赤メールマガジン

第83号 平成24年07月01日発行


 はっきりとしない天気が続く今日このごろ。みなさま、いかがお過ごしでしょうか?
 沖縄では梅雨明けが宣言され、夏本番も間近となりました。各家庭や施設でも緑のカーテンが多く見られるようになり、節電の意識が高まっているのを感じます。
 エアコンがない時代、昔の人々は工夫して涼を感じていました。のれん、すだれ、風鈴、打ち水・・・はたまた、「四谷怪談」「番町皿屋敷」に代表されるような、怪談話で背筋がひんやり・・・などという方法も。
 今年の夏は、電化製品に頼らない涼を考えてみましょう!
 さて、メールマガジン第83号をお届けします。みなさまには引き続き温かいご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

目次

1. 今月の病院ニュース
・・・苦痛の少ない胃カメラで不安解消・・・最新型経鼻内視鏡による胃がん検診

2. インフォメーション
~笑顔とともに~ 「しあわせの花 すずらん」を患者さんへ

・・・苦痛の少ない胃カメラで不安解消・・・最新型経鼻内視鏡による胃がん検診

健診部長 川田和昭医師に聞く



◆胃がん検診は受けたいけど、胃カメラは苦しそうでイヤだな・・・と思っていませんか。鼻から入れる経鼻内視鏡なら、そんな心配もいりません。最新型の経鼻内視鏡について、健診部長の川田和昭医師に聞きました。


(1)経鼻内視鏡―鼻から挿入する胃カメラ
 従来の約半分ほどの細い内視鏡(図1)を鼻から挿入する胃カメラ検査が「経鼻内視鏡検査」です。鼻から挿入すると内視鏡が舌の付け根に触れないため嘔吐反射が激減、楽に胃カメラ検査が受けられるようになりました。この方法であれば検査前に麻酔のゼリーを喉に溜める必要はなく、また胃の動きを抑える注射(鎮痙剤)をする注射する必要もないため、経鼻内視鏡は「安全で苦痛の少ない胃カメラ」として全国で急速な普及をみせています。鼻から挿入するため鼻の粘膜を入念に麻酔しますが、4%程度の割合で鼻痛や鼻出血が生じます。しかし鼻出血の程度はいずれも軽度であり、鼻痛も挿入時の一瞬です。口からの胃カメラ(経口内視鏡)で苦労された方、胃カメラになかなか踏み切れない方にはぜひ一度試していただきたい検査方法だと思います。



(2)経鼻内視鏡センター
 当院で経鼻内視鏡検査を始めて既に7年が経過し、外来・入院患者さん、人間ドック受診者を対象に、これまでに24,000件を超える検査を行ってきました。増え続ける需要に対応するため2007年4月に日本初となる「経鼻内視鏡センター」(別館3階)を設立、経鼻内視鏡システムを2台に増設しました。経鼻内視鏡を専門的に行うことで効率化が図られ、2011年度には年間検査数が4,779件にまで達しました(図2)。経鼻内視鏡センターでは毎日午前中、この経鼻内視鏡検査の概要がわかる患者さん説明用のDVDを上映していますので、ぜひ一度ご覧になってみてください。



(3)最新型経鼻内視鏡
 経鼻内視鏡センターではこの3月下旬に最新型経鼻内視鏡EG-580NW(富士フイルム社製)6本とプロセッサー2台を導入、システムを一新しました。ちなみに県内でこれらを保有しているのは当院だけです。細くなった経鼻内視鏡は経口内視鏡と比較すると、どうしても画像解像度が低下してしまう点が課題とされていました。しかしこの最新型経鼻内視鏡EG-580NWはハイビジョン並みの高画質を実現、経口内視鏡の画像に匹敵する解像度との評価を得ています。今回の最新型経鼻内視鏡の導入は、胃がんの早期発見に大いに役立つものと考えております。



(4)人間ドックにおける胃がん検診
当院人間ドックでは胃がん検診として、X線検査、経口内視鏡検査、経鼻内視鏡検査を同一料金で提供、受診者の自由選択制としているのが特徴です。経鼻内視鏡検査を希望される受診者は年々増加、2010年度にはX線検査を逆転、2011年度には約60%に達しました(図3)。これは「安全で苦痛の少ない胃カメラ」という評価の裏付けになる現象ではないかと考えております。ちなみに2011年度の人間ドックでは9例の胃がん癌を発見、その発見率は0.23%と全国水準と同じであり、9例すべてを早期胃がん癌で見つけることができました。



(5)ピロリ菌と胃がん
 胃がんに関する最近の話題といえば、やはりピロリ菌ではないでしょうか。ピロリ菌が胃粘膜に感染するとやがて萎縮性胃炎が生じ、この萎縮性胃炎が胃がん発生の大きな要因となっていると考えられているのです。内視鏡で直接胃粘膜内を観察すれば、この萎縮性胃炎の進行度や範囲をX線検査よりも正確に診断できます。萎縮性胃炎が認められたらピロリ菌の検査を受け、陽性(=ピロリ菌感染あり)であれば早めのピロリ菌退治(除菌薬の内服治療)をお勧めします。

(6)静岡市胃がん検診が内視鏡でも可能に
 胃がんを、それも早期のうちに見つけるためのコツは、症状のないうちから内視鏡検診に足を運ぶことです。症状がないからといって検査を避ける方がいますが、胃がんに限らず、症状が出たときのがんは既に「進行がん」だと思ってください。症状のないうちから気軽に胃がん内視鏡検診を受けるためには、やはり「安全で苦痛の少ない経鼻内視鏡」の存在が欠かせません。これまではX線検査だけであった静岡市の胃がん検診にも、この4月からは「内視鏡検査と」という選択肢が増えました。もちろん、静岡赤十字病院も経鼻内視鏡で参加しています。従来の胃カメラのイメージを変えたといわれる経鼻内視鏡で、積極的に胃がん検診を受けていただきたいと考えております。

健診部長
川田 和昭(かわだ かずあき)
日本消化器内視鏡学会専門医
日本人間ドック学会人間ドック健診専門医
日本医師会認定産業医



~笑顔とともに~ 「しあわせの花 すずらん」を患者さんへ

 平成24年6月8日(金)、ANAグループ(全日本空輸株式会社)より、当院の入院患者さんへ『すずらんの鉢植え』と、その可憐な花が永久に咲き続けるようANAグループの皆様が心を込めて手作りされた『押し花のしおり』が届けられました。
 「しあわせ」「幸福の再来」などの花言葉を持つすずらんを届けるこの行事は、ANAグループによる社会貢献活動の一環として、昭和31年から全国の空港近隣の赤十字病院を中心に行われている、今年で57回目を迎える伝統的なものです。
 贈呈式では、静岡県出身の客室乗務員の方から、「幸せが訪れますように」と患者さんの一日も早い回復を願い、すずらんが手渡されました。

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