しずおか日赤メールマガジン

第81号 平成24年05月01日発行


 気温の上昇とともに、草木が青々と輝き始め、過ごしやすい季節となりましたね。
 5月8日は、赤十字の創始者であるアンリー・デュナンの誕生日です。日本赤十字社では、全国で赤十字運動月間を展開し、赤十字の思想や活動に対する理解と協力を呼びかけています。当院では、5月8日(火)・9日(水)に赤十字キャンペーンを行います。本館1階玄関ロビーにて、看護相談や栄養相談、血管年齢測定などのイベントを開催しますので、ぜひお立ち寄り下さい。
 さて、メールマガジン第81号をお届けします。みなさまには引き続き温かいご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

目次

1. 今月の病院ニュース
下肢静脈瘤の最新治療~レーザー治療ってどんな治療法?~

2. インフォメーション
看護部長就任のごあいさつ

下肢静脈瘤の最新治療~レーザー治療ってどんな治療法?~

血管外科部長 三岡 博 医師に聞く


◆昨年より、下肢静脈瘤に対する血管内レーザー治療の保険適用がはじまりました。このたび、当院でも保険診療が可能なレーザー装置『ELVeSレーザー』を導入しましたので、下肢静脈瘤の最新治療について、血管外科部長の三岡博医師に聞きました。


1.) 「下肢静脈瘤」とはどんな病気ですか?
 昔から静岡に住んでいる人の間では、「すんばく」と言われているようです。主婦、調理師、理容師などの立ち仕事が多い、もしくは一日のうちで足が心臓より低い位置にある時間が長い人に発生しやすい、下肢(※)の静脈にうっ血が発生して瘤(こぶ)になっている病気です。   ※下肢・・・足の付け根から下の部分
 

2.) 症状はどのようなものですか?
 発生する静脈のうっ血によって症状は様々ですが、軽症でもむくみや疲労感を感じやすくなります。こむら返りの原因のひとつともいわれています。重症になると、皮膚炎や皮膚潰瘍が発生して、ひどいかゆみや痛みを感じることもあります。また、うっ血した静脈瘤の中に血の固まりができ、「血栓性静脈炎」になると、発熱やひどい痛みが発生します。

3.) 治療方法はどのようなものがありますか?
  うっ血を軽快させるだけであれば、弾性ストッキングというかなりきつい感じがする医療用の特殊なストッキングを履けば効果的です。しかし、この方法では静脈瘤を消すことはできません。また、気温や湿度の高い状態での着用は困難です。
 静脈瘤を完全に消し去るには、外科治療(切除)、カテーテル治療(レーザー凝固術)、注射(硬化療法)があります。注射で消す方法は小さな静脈瘤には有効ですが、太い静脈瘤には効きません。

    
4.) このほど導入したレーザー装置による治療法について教えてください。
 当院は2006年度からこの治療法を行っています。局所麻酔で細いカテーテルを静脈瘤の中に入れて、カテーテルの先端からレーザー光線を発射して(右写真)、静脈瘤を熱で縮めてしまう方法です。外科治療との最も大きな違いは、手術時間が短いことと、ほとんどの患者さんが局所麻酔で治療ができることです。局所麻酔で手術ができるので、入院の必要がない日帰り治療も可能です。外科治療の場合でも局所麻酔での治療や日帰り治療は可能ですが、傷がやや多いことなどから、日帰りでは心配な患者さんも多いようです。今回、これまで使用していたレーザーより治療効果が高いレーザー装置「ELVeSレーザー」が保険適用となったので、当院でも導入することになりました。
 現在、静岡県下のいくつかの施設でレーザー治療が導入されていますが、レーザー治療の経験が深い指導医が2名いるのは当院だけです。(2011.11.29現在)
 また、注意するべきは、この方法だけで静脈瘤を治療するのが必ずしも、最もよい方法ではないということです。たとえば、太ももから足首のところまでひどい静脈瘤がある人に、すべての範囲にこのレーザー治療を施すと、膝から下の皮膚の浅い部分にある静脈瘤は、周囲の皮膚にひどいやけどをつくることもあります。膝から下の静脈瘤を退治するには、傷跡がほとんど残らない方法での手術が最も効果的です。外来での追加治療も必要になることもありますが、膝下の静脈瘤には注射による硬化療法も有効です。また、体に傷を一切入れたくない場合は、膝から上にはレーザー治療を行い、膝から下の静脈瘤は硬化療法を行えば、全くメスを入れない治療も可能です。


5.) 下肢動脈瘤を予防することはできますか?
 立ちっぱなしの時間が長くなる場合は、休憩をとることが必要です。また、十分な水分補給やバランスの良い食事、適度な運動で、血液の流れをよくすることが大切です。


血管外科部長
三岡 博(みつおか ひろし)
日本外科学会指導医
日本心臓血管外科専門医
日本血管外科学会血管内治療医
胸部および腹部ステントグラフト指導医
血管内レーザー焼灼術指導医
 

看護部長就任のごあいさつ 看護部長 武田 惠子

静岡赤十字病院を選んでよかったと思っていただける看護を目指します

 このたび静岡赤十字病院の看護部長に就任致しました武田惠子と申します。昭和50年入職以来、30年以上静岡赤十字病院の看護師として、主に救急や集中治療室での看護を実践してまいりました。その間、看護師という仕事を通して患者さんをケアする中で、多くのことを学ばせていただきました。ケアをする側と受ける側という立場ですが、そこには人間としての関わりがあり、自分の未熟さを痛感したことも、患者さんと気持ちが通じた喜びを感じたこともありました。
 今後は看護部長として看護管理を実践し、静岡赤十字病院の看護師一人ひとりが目指している看護を実践できるように支援し、患者さんのご満足が得られる看護を提供することが責務であると考えています。
 また、静岡赤十字病院は「人道」という赤十字の精神に基づいて、地域の中核病院として急性期医療・看護を提供するという役割をきちんと果たすために、職員が一丸となって精進しなければならないと考えます。
 私たち看護師は患者さんの最も身近な存在として、患者さんの「生きること」と「生活」を支援する役割を担っています。患者さんの言葉に耳を傾け、生活環境を整え、食べること、排泄することなど人間としての基本的な欲求を満たすために、患者さん一人一人のニーズに基づいたケアを提供します。そして、病気を受け入れ治療に立ち向かう気持ちを支えることが役割だと考えています。
 「患者さんの最も身近な存在として、その人らしさを大切にしたケアを提供します」という看護部の理念が達成できるように看護職員を育成し、患者さんの期待に応えられる看護を提供していきたいと思います。
  

しずおか日赤メールマガジン 第81号

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平成24年05月01日発行