しずおか日赤メールマガジン

第74号 平成23年10月01日発行


みなさま、こんにちは。
先日、名古屋大などの国際研究グループが、素粒子のひとつニュートリノが光よりも速いという実験結果を発表しました。この結果が正しく、光よりも速い物体が存在することになれば、アインシュタインの相対性理論で実現不可能とされた「タイムマシン」も可能になるかもしれないとのことです。難しい話はわかりませんが、とても夢のある話だと思いませんか。これを機に、子どもたちの物理学への関心が高まるといいですね。
さて、メールマガジン第74号をお届けします。みなさまには引き続き温かいご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

目次

1. 今月の病院ニュース
"フードマイレージ"からわかる『地産地消』の良さ
~当院でも地産地消に取り組んでいます~

2. インフォメーション
『院外処方せん』への切替えのお知らせ

"フードマイレージ"からわかる『地産地消』の良さ ~当院でも地産地消に取り組んでいます~ 栄養課 管理栄養士 伊藤敦子

 今まで、これほどまでに「節電」を考えたことがあったでしょうか?今年3月の東日本の震災以降、日本人が本気で「節電」に取り組み始めました。 

 思い返してみると、1997年に京都で開催された地球温暖化を防止するための会議で、世界各国が温室効果ガスの排出量を削減することを約束しました。日本では2008年から2012年までの期間中に、1990年排出量より6%排出量を削減するという目標を掲げ、その時からすでに「節電」への意識が高まり、省エネ家電の開発が進み、ハイブリット車が普及し始め、スーパーでの買い物袋をエコバックに替えるなど、さまざまな工夫と、努力をしてきたと思います。しかしながら、2008年の発表では温室効果ガスの排出量は削減どころか逆に上回ってしまいました。まだまだ日本の意識が足りなかったのでしょうか。私たちが個人で排出量を減らすために直ぐに取り組めることと言えば、家の照明を、消費電力や発熱が少ないLED電球に付け替えたり、なるべくエアコンの使用を控えたり、無駄な電気はこまめに消したり、ごみを減らす等などあります。意外に気付かないことですが、毎日の食生活からも取り組めることがあります。それは、「地産地消」の食生活をすることです。「地産地消」とは、地元で生産された物を地元で消費することです。しずおか弁で言うと「しぞーかの人なら、しぞーかの物を食べればいいずら」ということです。よく考えてみれば、当たり前のことをすればいいのです。
 
 食料を運ぶ距離を減らすことが、温室効果ガスのCO2削減に繋がっているのです。食料の輸送量に輸送距離を掛け合わせた指標を“フード・マイレージ”と言います。このフード・マイレージの数値が小さい食品ほど、環境にも優しい食品ということになります。農林水産政策研究所の試算によると、日本のフード・マイレージの数値は、世界主要国の中で一番大きく、食料自給率の低い日本では、どうしても海外の輸入を頼らざるを得ないのも現状です。しかし、そんな現状の中でも、わざわざ遠い所から運んできた食料ばかりに頼るのではなく、地元で手に入る食材があれば、なるべく地元のものを食べるように少しでも心がけるようにすることが大切です。今年の夏に日本中で取り組んだ「節電」のように、一人ひとりの小さな力が集まれば、いずれ大きな力へと繋がっていくのだと思います。
それでは、具体的にわかりやすく「地産地消」の良さを“フード・マイレージ”で検証してみましょう。
方法は同じ献立内容で、静岡県産食材だけで作った食事、いわゆる「地産地消の食事」と、「県外産食材だけで作った食事」の2種類で、“フード・マイレージ”を比べます。 
 
 

【材料】※薬味や調味料類は省略
1.「地産地消の食事」(静岡県内産食材だけで作った食事)
○静岡こしひかり米 ○静岡産なす ○静岡産しめじ
○湖西市産豚ロース肉 ○葵区産ブロッコリー 
○葵区産プチトマト ○静岡産大豆の豆腐 
○葵区産ほうれん草
 
2.県外産食材だけで作った食事
○新潟こしひかり米 ○熊本産なす ○長野産しめじ
○カナダ産豚ロース肉 ○アメリカ産ブロッコリー
○宮城産プチトマト ○アメリカ産大豆の豆腐
○福岡産ほうれん草


結果は、「1.地産地消の食事」(静岡県内産食材だけで作った食事)のフード・マイレージが約24kg・kmだったのに対して、「2.県外産食材だけで作った食事」のフード・マイレージは約1,933kg・kmでした。

     地産地消の食事  県外産食材だけで作った食事
食 材 量(g) 産 地 距離(km) フード・マイレージ
(kg・km)
 産 地 距離
(km)
 フード・マイレージ
(kg・km)
豚 肉 80 湖西市 83.1 6.6  カナダ  9,476.0  758.1
ブロッコリー 25 葵 区 13.4 0.3  アメリカ  8,472.0  211.8
プチトマト 30 葵 区 13.4 0.4  宮城県  427.3  12.8
ほうれん草 60 葵 区 13.4 0.8  福岡県 748.1 44.9
な す 40 静岡県 73.5 2.9  熊本県  746.4  29.9
しめじ 10 静岡県 73.5 0.7  長野県  187.2  1.9
豆腐の大豆 100 静岡県 73.5 7.4  アメリカ  8,472.0  847.2
80 旧浅羽町 56.0 4.5  新潟県  331.2  26.5
合計フード・マイレージ     23.6      1,933.1
  

このように、“フード・マイレージ”が小さい(輸送距離が短い)地元の食材を食生活に取り入れることでCO2排出量が減り、環境問題に貢献できます。
「地産地消」の良さは、それだけではありません、消費者にとっては何よりも新鮮=おいしい農産物を食べることができます。また、消費者と、生産者の交流も図られるようになるため、食育の機会が持てたり、地元食材を活用して地元の伝統食を文化として継承していくことも出来るようになります。
そして、私たち消費者の地元食材へのニーズが高まれば、生産者(農家)はニーズに対応した生産をするようになり、食料自給率の向上に繋がっていきます。

当院でも、2009年(平成21年)11月より、地産地消の献立をご提供し始めました。当初は静岡県産の食材を集団給食で多量に仕入れるのはなかなか大変で、納入業者に無理にお願いをして、何とか調達できる地元食材で献立を立てて、月に1回ご提供するのがやっとでした。その後、野菜の納入方法を検討して、今年5月より少しずつ地元食材の仕入れ量を増やし、月1回の地産地消献立の日以外にも、なるべく地元食材を使用して、地産地消率(静岡県産食材使用率)を上げています。当院の普通食で、昨年と、今年の同月における地産地消率を比べてみたところ、昨年7月12%だったのに対して、今年7月は23%にまで上げることができました。今後も更に地産地消率を上げていくように、新鮮・安全にこだわりながら、厳選した地元食材の仕入れ量を増やしていくように努めていきたいと思います。

当院で提供した地産地消献立の一例です
 

※地産地消を食生活に取り入れるにあたって注意する点があります。
地元で生産される生産物には、種類や量に限りがありますから、地元食材だけにこだわり過ぎて、地元で採れない農産物を食べない食生活を長く続けると、不足する栄養素がでてくる可能性があります。食材のすべてを地元食材にするのではなく、毎日の食生活で、栄養のバランスを考えながら、上手に取り入れることが大切です。

『院外処方せん』への切替えのお知らせ 


 当院では、平成24年4月2日から外来患者さんの「処方せん」を『院外処方せん』に切替えさせていただきます。
外来患者さんは、『院外処方せん』を院外の保険薬局にお持ちになり、そこで薬を受け取っていただくことになります。

『院外処方せん』を発行すると・・・
◎ご自宅や勤務先の近くなど、どこの保険薬局でも薬を受け取ることができます。
◎薬について、保険薬局の薬剤師からより丁寧な説明を聞くことができます。
◎「かかりつけ薬局」を決めていただくことで、薬歴管理(※1)ができ、別々の医療機関で処方した薬の重複投与のチェックや相互作用による副作用が防ぐことができます。
※1)薬の重複などによる副作用から皆さまを守るために、一人一人の薬の服用歴を記録して管理することです。

『院外処方せん』に切替え、外来患者さんの調剤業務を保険薬局が行うことで、病院の薬剤師の業務は、外来中心から入院中心となり、これまで以上に入院患者さんの服薬指導等に力を入れることができます。これは「医薬分業」と呼ばれ、医療機関と保険薬局が協力して、より良い医療の提供を目指すものです。
患者の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。
『院外処方せん』に関するお問合せは、薬剤部までお願いします。

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