しずおか日赤メールマガジン

第66号 平成23年02月01日発行


 向春の候、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
 冬になると、当院の本館からも雪化粧をした富士山を眺めることができます。空気が澄んでいてくっきりとした形の富士山を見ることができた日には、何か良いことがありそう…☆と、なんだか気持ちが明るくなります。
 さて、メールマガジン第66号をお届けします。みなさまには引き続き温かいご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

目次

1. 今月の病院ニュース
検査で放射線を浴びるけど安全なの?

2. インフォメーション
ご意見をお聞かせください

「検査で放射線を浴びるけど安全なの?」 放射線科部長 小林 成司

 去年、平成22年11月、当院では最新鋭の画像診断CT装置「Optima 660 Pro」を導入しました。この装置は64列の多列検出器を装備した高性能装置で、体の中の状態を従来の装置より詳細に確認することができます。また、検査で利用される放射線の利用効率が上がり、患者さんの放射線被ばくをかなり低くできる高度の機能も備えています。
 実際には、従来のCT装置と比べて、以前の約半分の放射線被ばく量で、より精密・正確な診断が可能となり、立体三次元画像診断にも応用されています。
 さて、21世紀の現代医療においては、体を傷つけることなく体の中の状態を確認できる画像診断の重要性はますます増大しています。その代表例がX線コンピュータ断層撮影検査(CT検査)や、核磁気共鳴画像診断検査(MRI検査)です。例えば、頭痛が続けばすぐ頭部CT・MRIで頭の中の状態を探り、急におなかが痛くなれば、腹部CTや超音波検査でおなかの中の異常の有無を確認します。
このように、画像診断がなければ現代医療が成り立たないほど、医療に多大な貢献をしています。

 著しい発展を見せる画像診断ですが、全く害はないのでしょうか?CTでは放射線(X線)を使いますし、MRIでは非常に強い磁場にさらされます。
 日本は世界で唯一の原子爆弾被爆国であり、日本人は放射線に対する何とも言えない恐怖感・不信感・心配感(一種のアレルギー感情)を持っているとも言えます。そのような日本において、放射線平和利用の象徴であるX線CT装置が全世界の約3分の1の台数普及していることは驚くべきことです。(全世界に約3万台、日本に約1万4千台)
 では、CTによる放射線被ばくで健康に影響はないのでしょうか?
 結論から言うと、通常の画像診断で浴びる放射線量では、健康に悪影響を及ぼす心配をする必要はありません。特殊な場合を除き、健康被害を心配する必要はないのです。現代生活においてはなくてはならない乗用車も、通常の使用法ではほとんど危険性はありませんが、無謀運転や飲酒運転では凶器になりえます。
 これと同様に、画像診断で用いられる放射線機器も通常の使用法では問題ありません。短期間に何回も繰り返して同じ部位を撮像するのでなければ、放射線による影響を考える必要はないのです。以下にその理由を簡単に説明します。

 日常生活において、私たちは色々な種類の放射線にさらされています。自然から受ける放射線と人工の放射線源から受ける放射線に大きく分けられます。
 自然から受ける放射線としては、宇宙から降り注いでくる宇宙線、大地や建物の中に存在する放射性物質によるもの、空気中に存在するラドン、体内や食物に含まれる自然放射性物質などがあり、我々は、日々避けることのできない自然放射線を浴びているのです。これら自然放射線被ばくの量は年間平均2.4ミリシーベルト(世界平均)となっています。
 自然放射線被ばくは地域によって差があり、例えばブラジルのガラパリ市では、年間10ミリシーベルトにもなります。また、高度によっても差があり、高地ほど宇宙からの放射線が増加します。高高度を飛行する旅客機を利用するとわずかですが、宇宙線による被ばく線量が増加します。しかし、これら自然放射線による被ばくで健康状態に大きな影響を及ぼすという報告はありません。(を参照)
 人工の放射線源としては、放射線検査による医療被ばくがほとんどで、そのなかでもCT検査がかなりの割合を占めています。放射線が当たると、人体を構成する細胞のDNAが傷つきます。わずかな傷は細胞自身の回復能力により簡単に修復されます。回復能力を超える傷を受けた場合には、異常なDNAを残さないために、細胞は自ら死滅(アポトーシス=細胞死)します。
 しかし、アポトーシスに至らない程度の放射線を一度に受けると、修復が間に合わなくなったり、間違った修復をしたりして細胞に障害が現れます。
 その影響は身体に受けた量や部位により異なりますが、全身被ばくの場合100ミリシーベルト以下の低線量では悪影響は確認されていません。すなわち、通常の生活で被る(こうむ)程度の放射線被ばくでは、人体に対する影響は無いと考えて差し支えないのです。図に示したように、胸部CT検査による被ばくは1回の一連の検査で約7ミリシーベルトです。短期間に同じ胸部CTを15回以上繰り返して受ければ問題ですが、1回の検査で放射線被ばくによる影響を心配する必要はありません。不必要にCT検査を怖がる必要はないのです。

 我々放射線科専門医は、放射線のメリット・デメリットを常に意識して、必要最小限の放射線被ばくで、最大限の情報を得られるように日夜工夫しています。メリット・デメリットのバランスが重要なのです。放射線科専門医が医療現場で表に出てくることはほとんどありませんが、21世紀の高度医療を支える縁の下の力持ちとして、日夜、放射線の適正使用にプロとしての経験と知識を活かしています。

ご意見をお聞かせください

 院内11箇所に設置されているご意見箱には、来院された方からの感謝のお言葉や、ご意見が投函されています。より良い病院づくりの為に貴重なお言葉を大切にしていきたいと思います。

ご意見
★清水版の電話帳を置いてください。清水から来る患者さんも多いと思います。
☆回答 病棟・外来をはじめ、院内24箇所に清水区電話帳を配置しました。

★今日は雨天でした。診察後、大きなサイズのレントゲン資料を他院へ持って行くことになりましたが、紙袋に入れられていた為、売店で手提げを買わなければならなくなりました。簡単な物でよいので、持ち運ぶ必要に応じて、雨でもぬれない包み等を下さるとありがたいです。
☆回答 レントゲン運搬用のビニール袋を用意しました。放射線科・病棟・外来に設置しました。

★診察室は原則として医師と患者だけにすべきです。すぐ側に看護師や薬を打ち込む女性がいると言いたい事が言えません。カーテンの向こうに待機していて、医師が呼んだら入ってくる方式に出来ませんか。
☆回答 外来診察をスムースに行う為には、医師のサポートとして、看護師や医療秘書(医療事務作業補助者であり、水色の上衣を着用)が診察室に入っています。医師以外のスタッフに席を外して欲しい場合は、申し出て下さい。状況に応じて対応させていただきます。

感謝の言葉
★職場の人間ドックでこちらの病院を受診しました。あまり慣れていない為、不安げに歩いていると、職員の方から「どうなさいましたか?」と声を掛けていただきました。嬉しかったです。安心してセンター内を移動できました。胃カメラを不安な気持ちで受診した為、表情や体の反応に「ついていけない」状態が長く続きました。背中をさすって下さった看護師さん、的確に検査して下さった先生のお陰で、最後までやり切る事が出来ました。ありがとうございました。

★食事のメニューが豊富で味も美味しくてびっくりしました。美味しい食事って人を笑顔にしてくれる、病気に負けないぞ!って思わせてくれる気がします。栄養課の方々の温かい心が感じられました。顔は見えないけど、一膳一膳が「早く良くなってね!」と言ってくれてるみたいでとても嬉しかったです。

★先生・看護師さん達が優しく、笑顔で接してくれてとても嬉しかったです。夢はナースになることなので、私もこんなナースになりたいとすごく思いました。日赤病院の皆さん、頑張って下さい。応援しています。

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