しずおか日赤メールマガジン

第55号 平成22年03月01日発行


 みなさんこんにちは。ここ2週間は、バンクーバーオリンピックの話題で日本中が盛り上がりました。数々の名シーンやドラマがこのオリンピックからもうまれました。固唾をのんで試合を見守った方も多かったのではないでしょうか。選手からは、本当にたくさんの感動をもらいました。
 さて、メールマガジン第55号をお届けします。みなさまには引き続き温かいご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

目次

1. 今月の病院ニュース
最新の血管外科治療

2. インフォメーション
ひなまつりのお祝いレシピ

「最新の血管外科治療」 血管外科部長 三岡 博

切る治療と切らない治療を比べて

 2010年5月で、静岡赤十字病院に赴任して5年になります。5年前に同じタイトルで血管外科の治療を紹介させていただいたのが、静岡県中部地方の血管 外科治療の変化のはじまりだったと思っています。最も大きな 治療法の変化は血管内外科手術(endovascular surgery)の進歩で、この5年間の大変革はendovascular revolutionとよばれます。この大変革の途中の現時点で、切る治療と切らない治療について、どちらも行っているチームの一員として比較して説明させていただきます。

腹部大動脈瘤

 企業作製のステントグラフトを使用できるようになりました(図1)。 傷は左右の足のつけねに数センチつく程度です。治療の死亡率はあきらかに開腹手術よりも少なく、製品もどんどん進化していきます。今後はますますステントグラフト治療が増えてきます。ただし、安全を確保するためには、手術も上手な血管外科医がやるべきだと思います。

胸部大動脈瘤

 昨年から胸部大動脈瘤も、企業作製のステントグラフトで治療することができるようになりました(図2)。 胸を大きく切って瘤を人工血管に換える手術よりも死亡率や脳梗塞、半身不随などのリスクは低くなっています。腹部のステントグラフトと違って、「手術ではリスクが高い人」だけでなく、ステントグラフトが可能であるならどのような場合でも「保険適用」となります。今後は確実にステントグラフト治療が増えてきます。でも、切ってなおす技術を持った心臓外科医がいなければできません。

下肢閉塞性動脈硬化症

 動脈がつまって、歩けなくなったり足が壊死したりする病気です。これに対して、カテーテル治療を行う病院が増えました。当院は、三岡が赴任する前より、 この治療法を静岡市で最も先にとりいれた病院です。しかし、 カテーテル治療のすべてが手術にまさるわけではありません。成功率が高く長持ちする場合には手術を、カテーテル治療の必要がなく運動療法がむいている場合 (歩くとつかれてしまうだけならば、運動療法や薬物療法で改 善することが多い)は薬物療法を、手術もカテーテルも無理なら保存療法を、と選択し実践しうる体制がなければ片手おちです。
 また、足が壊死しそうな場合には、バイパス手術やカテーテル治療をしただけではいけません。「フットケア」をしっかり行うことが大切です。静岡赤十字病 院には整形外科/形成外科/皮膚科/血管外科/認定看護師からできている「フットケア」を行うチーム医療を行う制度と外来があります。
 カテーテル治療を行うことができる病院は増えましたが、運動療法についてしっかりと指導できるかどうか、カテーテル治療ができなかったときはどうするか、血流をよくしたあとでどのようにして治療をしていくか、な どの体制がとれる病院は、あまり増えていないのが現状です。

頸動脈狭窄症

 頸動脈が細くなって血流が極端に減ってしまったり、動脈硬化のかす(粥腫)が脳まで流れてしまったりすると、脳梗塞になります。頸動脈狭窄症に対して、 当院では血管を拡げてステントをいれるカテーテル治療(頸動 脈ステント、図3) と、血管の中の粥腫をとる血栓内膜切除術が行われています。傷をつけずにすむ点では頸動脈ステントがよい感じですが、粥腫をとる治療ではないので、完成度からいったら血栓内膜切除術が最も理にかなっているような気がしま す。ただ、大きく傷をつける必要がある場合は、顔面や舌の神経をいためてしまうことなどがあります。どちらもできる体制がとれている施設で治療をうけるほうがよいと思います。

下肢静脈瘤

 この治療もカテーテル治療である程度は対処できます。レーザーのカテーテルを使用して静脈を処理する方法と、注射で血管を消す方法(硬化療法)をもちいれば、メスをいれることなく治療をすることもできるでしょう 。いわゆる半身麻酔をしなくても局所麻酔だけで治療を行うことも可能です。でも、一回の治療で全ての静脈瘤を消し去るのはなかなかむずかしく、外来での硬化療法追加が必要になることもあります。そこで当院では、麻酔の方法、手術の方法(レーザー治療か静脈を抜く手術をするか)、硬化療法をどこまでするか、入院期間をどうするかなどを患者さんの希望に応じて組み合わせ、いわゆる「オーダーメイド」治療をしています。
血管外科治療が必要な病気の診断について
 造影剤を注射してCTをとったり、入院してカテーテル検査をしなくても、上にあげた病気は、話を聞く(問診)、手でさわる(触診)、手足の血圧をはかる検査(脈波検査)、歩く(トレッドミル)、超音波画像診断( エコー)などでほとんどが診断できます。最近、血管診療技師という資格が誕生し、当院には血管検査のスペシャリストがいます。バスキュラーラボというのは、この資格をもつ人が専門的な検査を行うことができる検査室のことをいいます。

ご興味をもたれた方は、専門外来に来て相談していただくか、メールでご連絡ください。

血管外科 外来担当
三岡 博 (mitsuoka@SZRC.org)
新谷 恒弘(shintani@SZRC.org)

ひなまつりのお祝いレシピ 栄養課 栄養係長 菊地しおり

 

 

“あかりをつけましょ ぼんぼりに お花をあげましょ 桃の花 五人ばやしの 笛太鼓 今日はたのしい ひなまつり・・・” 
3月3日は「ひなまつり」です。
 ひなまつりの食べ物といえば、ひなあられ、菱餅、ちらし寿司、はまぐりのお吸い物、白酒などがあります。菱餅には、3段の色にそれぞれ意味があり、赤が魔除け、白が清らかさ、緑が健康をあらわしていて、すべての邪悪を取り除き、清く健やかに長寿であるようにという願いが込められています。ハマグリのお吸い物は、合わせ貝であるハマグリを良縁にたとえ、良い人と縁が合わさるようにとの意味があります。ひなまつりには、縁起 のよいもの、邪気を払うものが食べられるようです。
 今日は、寿司飯を3色に色付けした‘ひしもち風ひなまつり寿司’を紹介します。ちらし寿司とはちょっと違ったお寿司を作ってみてはいかがですか?

材料 (4人分)

米2合 寿司酢(酢60ml 砂糖大さじ2杯 塩小さじ1/2)
青のり 大さじ2杯  鮭フレーク 大さじ2杯 
卵2個(砂糖小さじ1 酒小さじ1/2)焼き油 海老4尾 菜の花 1/2束 人参 20g 
牛乳パック(きれいに洗って乾かしたもの)

1、米は洗い、分量より少なめの水を加えて炊く。寿司酢の酢、砂糖、塩はよく混ぜておく。御飯が炊けたら、熱いうちに寿司酢を合わせ、うちわなどで扇ぎな がら切り混ぜる。
3等分にし、3色の酢飯を作る。 桃色⇒鮭フレークを混ぜる  緑色⇒青のりを混ぜる  白色⇒そのまま
2、海老は熱湯で塩ゆでし、冷まし殻をむいておく。
3、卵は割りほぐし、砂糖、酒を加え、薄く焼き、錦糸卵にする。
4、菜の花を茹でて、冷まし食べやすい大きさに切る。
5、人参は3mm位に切り、花形に抜きやわらかく茹でる。
6、牛乳パックは5cmの長さに切っておき、ラップを敷いた上に置き、下から各々1/4量の緑の酢飯、白の酢飯、桃の酢飯を均等に詰め、軽く手で押す。お 皿に乗せ、牛乳パックをそっと持ち上げ、錦糸卵、海老、人参 、菜の花をトッピングする。

しずおか日赤メールマガジン 第55号

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平成22年03月01日発行