しずおか日赤メールマガジン

第47号 平成21年07月02日発行


 みなさま、こんにちは。かわりやすいお天気が続いている今日この頃ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。体調等崩されていませんか?
 これからが夏本番となるこの時期ですので、健康には十分気をつけてご自愛されますようお祈りいたします。
 さて、メールマガジン第47号をお届けします。みなさまには引き続き温かいご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

目次

1. 今月の病院ニュース
婦人科腫瘍外来の開設にあたって~産婦人科医療の現場から~

2. インフォメーション
ANAよりすずらんが届けられました

「婦人科腫瘍外来の開設にあたって~産婦人科医療の現場から~」 産婦人科医師 市川 義一

産婦人科を取りまく現状

 「産婦人科・新生児科の医師不足」にまつわる報道を最近数多く目にするようになりました。1996年と比較して産婦人科医師数は約12%の大幅な減少をしており、全国で4200以上あった分娩を取り扱うことができる施設は2005年には約2900施設にまで減少しています。同時に医師の都市部への集中も生じているため、2009年現在、大都市を除いては地域における産婦人科医師、施設の減少は急落の一途をたどっています。当院も例外ではなく産婦人科医師数は以前までの約半分になり、一昨年には一時的に分娩予約の受付を中止する事態が生じてしまいました。現在は常勤産婦人科医師5名および多数の非常勤医師の援助を得て、周産期(産科)、不妊症から婦人科悪性腫瘍、腹腔鏡手術に至る産婦人科の多くの領域の診療を継続することができています。 
 産婦人科医の減少に伴い、お産のできる病院がなくなってしまうことが問題視されていますが、総合病院の産婦人科の閉鎖に伴って、地域から婦人科系の腫瘍やがんを治療できる病院も減少し一部の病院に患者が集中して いることも、日本産科婦人科学会の調査で分かってきています。同学会からは「病院の許容量を超える集中も起き始めており、お産に続いて地域におけるがん治療の破綻が起きかねない」との危機感が表明されています。
 静岡市内では複数の病院が産婦人科診療を継続できていますが、静岡市周辺のいくつかの地域では産婦人科を標榜する病院がひとつ、またひとつと減少しており、以前に比べて市外から市内の病院に通院される患者さんの 数が増えていることを実感しています。

当院の取り組み

 産婦人科をとりまく現状は決して楽観することはできませんが、うつむいていても仕方ありません。静岡赤十字病院産婦人科ではまず「安全で、感動のお産、すばらしい育児のスタートの援助」をスローガンに静岡市内でいち早く助産師外来を開設しました。暗中模索からのスタートでしたが、現在では妊婦さんや家族により近い距離からの援助、医師-助産師外来の間の緊密な連携による安心感などの点で高い評価をいただけるまでに成長しました。
 そこで、次に「地域における婦人科腫瘍・がん患者さんへのサポート体制の維持と医療の質の向上」を目標に本年5月より第2、第4木曜日の午後に「婦人科腫瘍外来」を開設いたしました。この外来では、頻回かつ継続的な外来通院が必要な1.細胞診(子宮がん検診)異常の患者さんの精密検査および定期フォローアップ2.婦人科がん治療後の継続的フォローアップを行います。これらの患者さんに一般外来とは別に集中化してお越しいただくことで、通常検診とは内容が異なる精密検査の効率化・確実化が期待され、専門性の向上や待ち時間の減少などという形で患者さんへ還元できるのではないかと思います。また、3.低侵襲手術(腹腔鏡手術、縮小手術など)を希望される患者さんの窓口として、4.婦人科がんを患われた患者さんが、治療方針や今後のことなどをゆっくりと相談していける窓口としても運用される予定です。

今後の展望

 本外来の新規開設にとどまらず、静岡中部地区の産婦人科診療の中核を担うのに十分な体制を整えていくためには、我々にこれまで以上の努力と更なる人材そして教育の充実が求められていることは言うまでもありません。このことは、当院および地域で開業なさっている先生方、スタッフの皆さんのご理解とご協力なしには到底なしえないものと思います。そして、このような取り組みがあっても尚、当科に受診していただいている患者さんには多くのご迷惑をおかけしなければならない現状があります。「医師数減少・患者数増加に伴って外来の待ち時間が長くなりご迷惑をおかけしていること」、「分娩や緊急帝王切開時に一時外来中断をすることがあること」、「がんの根治手術など長時間の手術が予定されている日には、初診受付時間が随時短縮することがあること」、「病状に合わせてお近くの診療所でフォローアップをしていただく診療体系(病診連携)をお願いすること」などをご理解、ご協力いただき、静岡中部地区の産婦人科医療を一緒に支えていただきたいと思います。
限られた人員の中でのささやかな努力ではありますが、「静岡の人々に愛され、受診してよかったと感じていただける“日赤の産婦人科”」たるべくスタッフ一同これからも全力を尽くしていきたいと考えております。

インフォメーション

ANAよりすずらんが届けられました

 平成21年6月5日(金)、当院に入院されている患者さんへ、ANA(全日本空輸)からすずらんが贈られました。このすずらん行事は、昭和31年より全国の空港近隣の病院で行われており、今年で54回目を迎えます。
今年は、富士山静岡空港が6月4日(木)に開港し、札幌―静岡便の就航が始まったことから、ANAの善意により当院へ初めてのすずらん寄贈が実現しました。
贈呈式では、ANAスタッフが「すずらんの花言葉である幸福がみなさんにも訪れますように。」と述べて、患者さんにすずらんの鉢を手渡しました。
また、病室では旅客係員から1枚1枚手作りされた押し花のしおりが配られ、「新婚旅行で訪れた北海道を思い出します。」と話す患者さんへは「元気になられたら、ぜひまた飛行機を利用してください。」と笑顔で声を掛けていました。
北海道で栽培されたすずらんを、状態の良いまま届けられるのが空輸の利点と話すANAスタッフの説明どおり、この日ANAからは綺麗な花を咲かせたすずらん7鉢としおり400枚が贈られました。

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