隠れメタボ

太っていなくても油断は禁物「隠れメタボ」あなたは大丈夫?

なにかと制限の多いコロナ禍の生活。「楽しみといえば、食べることくらい…」なんてついおいしいものを食べ過ぎていませんか。
じわじわと増えている「隠れメタボ」について健診センターの神野医師にお話を伺います。

健診センター 第一健診部長

神野 豊久医師

名古屋市出身。じつは先生ご自身も、新幹線通勤から静岡での単身生活になったことで体重が少々増えてしまったそう。「これはまずい」と腹七分目の食事を徹底し、数週間で見事に元の体重に。さすが健康管理のプロフェッショナル!

教えてドクターQ&A

「隠れメタボ」が女性に多いのはどうして?
ある研究では、「CT検査で内臓脂肪面積を計測したところ、男性は100cm2以上、女性は65cm2以上で高血圧、高血糖、脂質異常などが生じやすくなる」と報告されています。この内臓脂肪面積を腹囲に換算すると、男性は腹囲85cm、女性は腹囲77cmとなるのですが、従来の診断基準では、腹囲90cm未満の女性はメタボリック症候群には当てはまらない。つまり、女性の場合は腹囲が90cm未満でも高血圧、高血糖、脂質異常をきたしやすいということです。腹囲だけでは内臓脂肪の蓄積はわからないため、女性はより注意が必要だということですね。
「メタボ」や「隠れメタボ」の予防策を教えてください。
やはり生活習慣の改善です。心がけたいのは「就寝直前の食事は控え、朝食をとる」「過度の飲酒を避け、喫煙しない」「毎日5500歩程度歩く」「バランスのとれた食事を心がけ、よく噛んでゆっくり食べる」の4点。難しければ、まず4つのうち2つを実践、効果が感じられなければ1つ増やして3つ頑張る、それでも効果が薄ければ4つ全て実践するなど、達成感を確かめながら実行すると続けやすいです。体重計に毎日乗ってみるだけでも、行動を変えるきっかけになりますよ。

コロナ禍で増加中?!注目される「隠れメタボ」

最近の人間ドックの結果を見ていますと、体重や腹囲が増加傾向にある方が増えたように感じます。加えてよく見かけるのが、血圧、血糖、脂質、尿酸といった生活習慣病の関連項目が悪化傾向にある方。昨年来のコロナ禍で外出などの娯楽が制限される中、「食」の充実に楽しみを見出している人が多く、そうした現象が健診結果の変化にも表れているように思います。そこで今回は、近年注目される「隠れメタボ」の問題についてお伝えします。

一見スリムでも油断は禁物、特に女性は要注意

「隠れメタボ」とは、体型は肥満ではないものの、高血圧、高血糖、脂質異常のうち2つ以上に当てはまる状態のこと。具体的には「男性は腹囲85cm未満、女性は同90cm未満」「肥満度を示す体格指数(BMI:図1)が25未満」と肥満ではない状態で、かつ図2の項目のうち2つ以上に該当する場合です。
名古屋芸術大学の下方教授の研究調査によれば、隠れメタボの対象者は全国で900万人超と推計されています。また「メタボ」と聞くと中年男性を思い浮かべる方もいるかもしれませんが、この推計では男性380万人、女性534万人と女性のほうが男性より1.4倍も多い。当院でドックを受診された方に関しても、隠れメタボに該当する方の割合を男女別に調べてみたところ、2019年度(コロナ禍前)と2020年度(コロナ禍以降)では、男性では約2%、女性では約4%の増加が認められています(図3)。
隠れメタボの人は、見た目にはそれほど太っていなくても、胃や腸など内臓のまわりに脂肪がたっぷりついた状態になっています。内臓脂肪が多くなれば代謝の異常が起こり、結果的に高血圧、高血糖、脂質異常をきたす可能性が高くなる。これらは動脈硬化の原因であり、動脈硬化が進行すれば狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、さらに認知症になるリスクも高くなります。

生活改善でリスク対応は可能、定期的な健診受診を

見た目からは異変に気付きにくい「隠れメタボ」ですが、定期健康診断で血液検査を受ければ各項目の異常はすぐわかりますし、医師の指導に従って生活習慣を改めれば、健康上のリスクは確実に下げられます。当院健診センターでは、受診される方のニーズに少しでも応えるべく、さまざまな検査を揃えております。自分がどの検査を受ければいいのかわからず不安な場合には、個別に相談に応じることもできるので、迷っている方はぜひお問い合わせください。