小児科ブログPediatrics blog

あなたの身近にもPM2.5!

2023年3月6日

ここ最近PM2.5についてよく報道されていると思います。つい先日も「PM2.5が心配でマスクをしています」という親御さんがいらっしゃいました。しかし...お話を聞いてみて...お母さん、ご自宅の中の方が危険かもしれませんよ!
つい先日「日本禁煙学会」が「禁煙でない日本の飲食店内は北京の大気と同じPM2.5レベルです」と発表しました。しかし北京のPM2.5の濃度って「数百」ってレベルで、日本での報道は2ケタレベルでしたよね?(下の図参照)

そもそもPM2.5って何なのでしょう?これは「空気に含まれる直径が1000分の2.5㎜未満の微小粒子」のことなのです。じつは今回の報道がある前から大気汚染の指標として用いられていたものなのです。この微小粒子が肺の奥まで入り込み、炎症・動脈硬化・がん・気管支喘息を引き起こすのです。
PM2.5が10μg/m3増えると心臓や肺の病気の死亡率が9%増えるといわれています。WHOは規制目標を24時間値で25μg/m3、日本は15μg/m3としていました。米国の環境保護庁が大気の質の分類を行っています(下記の左図を参照)。北京は緊急事態の状態ですね。
では禁煙でない飲食店はどうなのか?下記の右図を見ていただくと分かるように、ほとんどが緊急事態の数百のレベルとなっています!日本にいても、中国に近くなくても、受動喫煙環境であれば、大気汚染は「今そこにある」のです!
過去にも静岡市内の受動喫煙家庭で突然死した乳児がいました。おそらく乳幼児突然死症候群(SIDS)と思われます。両親ともタバコを吸う赤ちゃんは、全くすわない家庭の赤ちゃんの4.7倍もSIDSのリスクが高まるのです!親御さんがタバコさえ吸っていなければ...。外来で残念に思うお子さんは少なくありません。タバコを吸ってこどもが得することは何もありません。これを機会に禁煙、考えてみませんか?ご両親の勇気ある決断をお待ちしています。
PM2.5のポイント
  • タバコは身近なPM2.5の発生源
  • 赤ちゃんの突然死の恐れも
  • いつ禁煙するの?今でしょ!

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