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脊椎センター

当センターの治療内容

働き盛りの方に多い腰椎椎間板ヘルニアに対しては内視鏡下ヘルニア摘出術を施行することがあります。当院は厚労省の施設基準を満たした病院です。年間の症例数は50件ほどです。2cmに満たない傷で手術できる本法はよい手術法ですが、問題点もあります。よくあるのは、適応がないにもかかわらず内視鏡で手術してほしいと患者さんから希望してくるケースです。まずヘルニアの診断で正しいのか、手術以外の治療法はないのか、手術するとすればどのような手術法が最善と考えられるのか、などの判断はわれわれにお任せください。基本的には患者さんとの相談で治療方針を決めていきます。

一度手術したがよくならないとか、再発した症例の診断・治療を得意としております。一度メスを加えた場所は瘢痕ができ神経周囲が正常の解剖とはまったく別物になってしまうので再度手術するには高度の技術が必要です。よくならないのはどういうわけなのか、診断すること自体がまず困難です。よくならない原因の一つに、いわゆるfar out syndrome(病院ニュース 腰痛治療のウソとホント その3 参照)があります。当センターの手術症例数が多いのはこの隠れている疾患を見つけてしまったことも一因です。“歳だから手術をしても治らない”とか、“ちゃんと治療したから治らないはずはない”とか言われて困っている方も一度ご相談ください。

圧迫骨折は本来安定型の骨折で保存療法と言って手術の必要のない骨折です。近年は偽関節と言って骨がいつになってもつかなかったり、骨がついても別の問題で痛みが治らないことがあり、そういう症例は手術を必要とします。最近流行りの局所麻酔下に骨セメントを入れる椎体形成術は発展途上の治療です。当センターでは効果の確実な金属でせぼねを固定する従来法を採用していますが、患者さんの満足度は高いです。

手術の際にはなるべく顕微鏡や拡大鏡を使用し、安全かつ確実に手術することを心がけています。たとえば頚椎のヘルニアの手術では顕微鏡を使うことによって削る骨の量が少なくて済み移植する骨を小さくできるので、手術のあとにコルセットなどを使用せずに手術翌日から立つことができます。

手術以外の治療法はやっていないのか?とのご質問もありましょう。薬物療法・理学療法・ブロック治療を受けてきたが効果がなく、手術を前提として紹介されてくる患者さんが多いのは事実です。しかしながら当センターはむやみに手術を勧めることはいたしません。われわれの役目は治療法の根拠を科学的に説明することです。そして多くの場合、治療の選択権は患者さん自身にあります。

巷で言われている“せぼねの手術はやるものではない”の原因のひとつは診断です。人間は年をとれば誰でも椎間板が老化します。MRIで黒くでっぱっているのがすべて悪いわけではありません(病院ニュース 腰痛治療のウソとホント その1 参照)。でっぱっている場所を片っ端から削ってしまう治療には弊害があります。患者さんの体を触り、神経の発しているサインを検知することによって、悪い場所を科学的に同定するのも治療技術のひとつであり、当センターの得意とするところです。

もうひとつの原因はやはり手術自体の難易度が高いということです。せぼねや脊髄の周囲には血管がたいへん多いのです。出血を止める方法は直接の圧迫か電気メスで焼くことですが、外力に弱い脊髄のすぐ脇で圧迫したり焼いたりすることはできません。出血を上手にコントロールするのが医師の技術であり、安全に神経を操作でき手術時間も短くでき、当然治療効果もあがります。