しずおか日赤メールマガジンMailmagazine blog

第179号 令和2年07月01日発行

2020年7月1日

みなさまいかがお過ごしですか 梅雨や新型コロナウイルス感染予防のステイホームで運動不足になっていませんか?気軽にできるラジオ体操を取り入れてみるのはいかがでしょうか。場所も選ばすいつでも始められる手軽さ!伸ばす・ひねりなど運動のポイントを意識することで健康効果を高めることができますよ。ラジオ体操で健康の維持や増進に努めていきましょう
それでは、メールマガジン第179号をお届けいたします。
引き続き温かいご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

4月より乳腺外科専門の菊池医師が着任いたしました

乳がんについてお答えいたします!

4月より着任いたしました乳腺外科が専門の菊池雅之医師です。ものごし柔らかな菊池医師に、乳がんについての質問に答えていただきました。
菊池雅之医師
乳がんとはどのような病気ですか?
乳がんは、がんの中でも、日本人女性がかかる割合(罹患率)はトップであり、年々増加の一途をたどっています。生涯のうちに乳癌になる女性の割合は、50年前は50人に1人でしたが、現在は11人に1人と言われ、1年間に9万人を超える患者さんが新たに乳癌と診断されています。
年代別でみると、乳がんの罹患率は30歳台後半から増加し、40歳台後半から50歳台前半でピークになります。さらに閉経後の60歳台前半で再びピークを迎える傾向があります。
乳癌が増加した理由
日本女性に乳がんが増加した主な理由として、食生活の欧米化や女性の社会進出による晩婚化が関係していると考えられています。 乳がんの発生には、女性ホルモンの一つであるエストロゲンが重要な働きをしていると考えられており、具体的には「初経年齢が早い」「閉経年齢が遅い」「出産歴がない」「初産年齢が遅い」「授乳歴がない」などがリスク要因とされています。 また、遺伝的因子も最近話題になっており、一親等(母、娘、姉妹)に乳癌になった方がいると約2倍乳癌になりやすいと言われています。その中で、遺伝子異常により乳癌になる病気の中で最近トピックスになっている遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)の割合は、全乳がんの約5-10%と言われています。
どのような症状がありますか?
乳がんは1cm程度の大きさになるとしこりとして触れるようになってきます。実際、自分でしこりをみつけて来院され、乳がんの診断に至る患者さんが多いのが現状です。しこりの上の皮膚が凹んだり、乳首が変形したり、分泌物が出ることがあります。
しかしこれらの症状は、がんがある程度大きくなってから出てくる症状です。しこりができた位置によっては、ある程度の大きさでも触ってもよく分からないことがあります。そこで、触っただけでは分かりにくい変化を発見するのが、マンモグラフィーや超音波などの検査です。これらの検査により、より小さいしこりを発見することができ、早期発見につながります。
乳がん検診・自己検診の方法
現在日本の乳がん検診は、40歳以上の方で2年に1回、視触診とマンモグラフィーによる検診が推奨されています。乳がん検診受診率はアメリカやイギリスなどの先進国では80%前後にもかかわらず、日本では40%程度と非常に低いのが現状です。先進国の中で乳癌により亡くなる方が増加しているのは日本だけで、これには低い検診受診率が関係していると考えられています。
もし乳癌になったら、どんな治療をしますか?
乳癌の治療は①乳房に対する「局所治療」と②目に見えない微小ながん細胞をやっつける薬物治療による「全身治療」の組み合わせで行います。
①局所治療は手術になりますが、がんの大きさや拡がりによって乳房温存手術や全摘手術など適切な手術を選択します。②全身治療は抗がん剤やホルモン療法といった薬物治療になりますが、乳がんはこの薬物治療が一般的によく効きます。この全身治療が非常に重要であることが分かってきて、がん細胞のホルモン受容体や、HER2蛋白と呼ばれる特異な細胞膜蛋白の有無により、適切な薬物治療を選択することで、治療成績が良くなっています。
乳癌は早期発見、早期治療すれば治癒する方がほとんどです。まずは乳がん検診を定期的に受けましょう。

応援メッセージをありがとうございます!

地域のみなさまより当院へ新型コロナウイルスと闘う病院スタッフに応援や感謝のお手紙等いただきました。いただいたメッセージは職員の目に触れる場所に掲示し、皆立ち止まり熱心に読んでいます。直接会うことが難しい今の世の中、このようなメッセージは私たちの何よりの励みになります。この場をお借りしてメッセージを寄せてくださった方にお礼申し上げます。

出産・育児を学べるWeb産科教室を始めています

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、産科主催で行っている各教室が中止されていることに伴い、5月より当院ホームページで「Web産科教室」を公開しています。助産師、産婦人科医師が自作した約20のコンテンツで産科に通院中の妊婦さんをケアしています。

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